Vtuber文化について(+最近推しの桐生ココ氏について千莉氏の動画を基に)
今まで行動経済など実社会について書いてきたが、少し気分転換(今日書こうと思っていた章がなかなか難しかっただけ)に最近の趣味について書いていきたい。
さて、これを趣味といっていいのかわからないが最近Vtuber(Virtual YouTuber)を見ることにハマっている。
Vtuberというのは、YouTuberの派生のようなもので、本来のYouTuberが人間そのもので放送をおこなうのに対して、Vtuberではアニメキャラクターのように、人間ではなくキャラクターをモーションキャプチャーして放送する。(と思われる)
元々、ゲーム等の実況動画には興味がなかったのだが、ふとしたきっかけで見てみたら思った以上にハマってしまったのだ。
調べてみるとVtuberの数全体ですでに一万を超えているというから驚きである。
ちなみにVtuberという言葉を初めて使ったのがキズナアイ氏で親分とも呼ばれている。
また、2018年にはネット流行語大賞の金賞を受賞、今年の新語2018年には5位にランクインしている。
●なぜVtuber文化はこれだけ有名になったのか。
そもそも論として、日本に深く根付いたアニメ文化があることが大きい。
日本のアニメ産業は今や経済に影響を与えるレベルとなった。
このことから分かるように、Vtuber以前にこの手のジャンルに関心が高かったことが背景として考えられる。
この結果、キズナアイ氏がYouTubeという誰でもいつでもアクセスできる媒体に登場し、一気にVtuber文化が促進されたのではないだろうか。
またこのジャンルでの既存の関心だけでなく、従来のアニメと大きく異なる点も促進要因だと考える。
私個人の考えるに2点ほど大きく異なる点がある。
1.距離感
従来のアニメというのは、特定のキャラクターは特定のアニメの世界でしか生存できない。
例えば、”ルパン三世”のルパンは、”ルパン三世”というアニメの世界でしか生存していない(他アニメとのコラボを除く)。
つまり、その世界の決められたセリフの中でしか生きていけない。
中の人=声優さんがパーソナリティを行うラジオも存在するが、それは声優が主役であり、ルパンが主役ではない。
また、中の人との関わりはあっても、キャラクターそのものとの関わりというのは非常に限られている。
一方でVtuberの場合、中の人は常に”そのキャラクター”となる。
ライブ配信しているときも”そのキャラクター”だし、他企業のVtuberとコラボをする際も”そのキャラクター”である。Twitterで呟くのも”そのキャラクター”である。
そしてライブ配信では視聴者とのコメントとやり取りしたり、Twitterではリプを返すのも”そのキャラクター”である。
比較してみるとVtuberはアニメと比較すると距離感が圧倒的に近いのである。
つまり従来のアニメではできなかったことがVtuberでは可能になり、このことが増々拍車をかけたのではないだろうか。
2.直接的なコミュニケーション
また、Twitter上での”直接的なコミュニケーション”も拍車をかけたと考える。
どういうことか。
それはVtuberが視聴者が作った二次創作をRTしたりお気に入り登録したりする行為にあると考えられる。
自身の作品が本人に直接届く、ということが二次創作作者にとって大きな嬉しさとなる。また本人がそれをRTしてくれることでさらに知名度が高まり、お互いがWin-Winな状態になる。
私自身も絵は描けないが、モーショングラフィックを投稿したところ本人の目に入ったらしくリプライが届き、とてもうれしく感じた。
またその作品にはいつもより多くの”いいね”が付く結果となった。
もちろんこれ以外にもキャラクターそれぞれの個性を活かした魅力や歌などの歌唱力も大きな魅力であるが、これは1人1人異なることなのでここでは説明を省く。
以上の背景からVtuber文化が大きく広がったのではないかと考える。
(あくまでも持論)
・最近の推し、桐生ココ氏について
さて、Vtuber文化についてはこれくらいにして、最近推しの桐生ココ氏について記していきたい。
桐生ココ氏はCOVER株式会社のホロライブという事務所に所属するVtuberである。
昨年12月末に登場し、現在約3か月が経とうとしている新人である。
しかし、新人でもあるに関わらず登録者はすでに26万人を超え、現在でも平均して1日1000人ほどの新規登録者を安定して獲得している。
桐生ココ氏は、異世界から日本語留学中と書かれた通りに、少し特殊な日本語をしゃべるドラゴンである。
少し特殊?という場合は、以下の動画がとてもまとまっていて分かりやすいのでぜひ。
そして初登場の翌日から【朝ココ】という平日朝6時から20分ほどのニュース番組を放送している。取り扱う内容は、所属Vtuberメンバーの放送についてであり、面白かったところを中心に、ダイジェストのように見せてくれる。
↓実際の【朝ココ第1回目】(なぜかサムネが出てこない)
https://www.youtube.com/watch?v=6Y8cEnbk1I4&t=629s
もちろんこれ以外にも実況配信や雑談配信といったことを行っている。
さてこの桐生ココ氏、登場してから間もない新人であるにもかかわらずVtuber界隈に大きな影響を引き起こしている。
2020年1月には新規登録者数、視聴者数は他のVtuberの中で1位、3か月で26万人以上の登録者、収益化記念配信では893万円?(不確定)のスーパーチャットが投げられたことで脅威の新星として取り上げられた。
・どうして話題に?
どうしてここまで話題に、そして自分含め多くのファンを引き寄せたのか。
詳しい内容は、バーチャルエコノミストの千莉氏の動画がとても参考になる。
・バーチャルエコノミスト千莉氏から学ぶ
正直言うと、私自身もなぜ推しになったのわからなかったが、この動画を見て理解できた。
・明確な夢がある(ホロライブメンバーの共同住宅を作る)
・トークが面白い
だけでなく…
【朝ココ】から学べることが多数ある、という点も影響している、というのである。
千莉氏の動画をまとめると…
【朝ココ】を分析すると、以下の戦略があると千莉氏は述べている。
1.共生戦略
2.LTVの最大化
3.ブルーオーシャン戦略
そしてこの戦略から学べることとして、
1.ハブ人材になろう
2.ホメオスタシスを活用しよう
3.可処分時間を考えよう
ということを学べるという。
では詳しく見ていきたい。
1.共生戦略
これは、競争相手と共に成長できる道を探る、というものだ。
これを【朝ココ】に置き換えると、桐生ココ氏は自身のことだけでなく、所属の他Vtuberについても言及している。
〇〇氏、ゲーム中に~をやらかす、といった具合に紹介をして面白可笑しく視聴者に伝えてくれるのだ。
つまり、桐生ココ氏だけでなくホロライブ全体で成長しよう、ということが伺える。
ではなぜ、他者を宣伝・紹介することでなぜ桐生ココ氏が成長するのか。それは彼女がハブの役割をしているからだ、と千莉氏は述べている。
視聴者は【朝ココ】を見たことで他のVtuberの動画へと導かれる。実際に私もそうだった。これにより、今までの桐生ココ氏以外のファン層が【朝ココ】に推しの情報が出ていることで視聴することになる。しかもニュース形式なので、また出るかもしれないということから登録を行う。
このことにより、取り上げたホロライブメンバーのファンを吸収する仕組みになっている。
またこれだけではなく、ココ氏の英語力やコミュ力、サーバー運営などによって信頼を築き、それに伴い知識も獲得したことでハブ人材となることができた。
2.LTVの最大化
LTVとは、生涯顧客価値というものである。
これは、顧客に継続してどれだけ多くのモノを提供できるか、というもの。
【朝ココ】においてこの核となるのは、定期的な時間での放送だという。
これによって視聴者の離脱を阻止できるというのである。
これを裏付けるのが人間の”習慣化”である。
人間は特定の行動を66日間続けると習慣化するのだという。
これは現在の状態を一定に保とうとする、ホメオスタシス(恒常性維持機能)が働くためである。(行動経済学では現状維持バイアスという)
これにより、モチベーションがなくてもその行動を自動的に行おうとするようになる。つまり、朝6時に起きて【朝ココ】を見ないと落ち着かない、という状態になるのである。
この定期的に提供することでLTVを最大化することができるのである。
3.ブルーオーシャン戦略
これは、競争相手のいない新たなフィールドを探し出す戦略のことを言う。
配信者としては、可処分時間、つまり消費者が自由に使える時間からブルーオーシャン戦略を練ることができる。
この点において【朝ココ】は平日朝6時に約20分というVtuber界ではブルーオーシャンになっているところで放送している。
これにより、競合を避け、一定数の視聴者を獲得できている。
これらの要因から【朝ココ】が大きな影響を及ぼしたと千莉氏は述べている。
これ以降の動画にも桐生ココ氏の分析が掲載されている。
・これ以外の個人的な意見
千莉氏の動画によって私が桐生ココ氏のファンになった分析がよくできた。
これらの分析に加えて、私なりの意見として桐生ココ氏のいい点を4つ程みていきたい。
1.コミュニケーション能力の高さ
ホロライブでは一番年下の第四期生として加入したが、自前のコミュニケーション能力により、同期だけでなく多くの先輩とコラボを実施している。
またコラボ内では他者を弄ることはあっても、不快感を伴わない弄り芸となっており、見ていてとても安心できる楽しさがある。
また、【朝ココ】に見られるように、出来事を話す際に”溜め”を使ったり、強調するところは意識的に声のトーンを高めたりという工夫をしていることが伺える。
2.自発的な行動力
さらにARK:Surviveのように流行となるものを自ら発信し、自らサーバーを建てるなど自発的な行動により信頼を築き上げた。これにより、ホロライブ内ではARKパンデミックが発生。
そしてこの影響は”いちから株式会社”の”にじさんじ”にも波及し、にじさんじ内でもARKが流行することになる。
3.本人が一番楽しそうにゲームをしていること
これは配信を見ているとよくわかるが、配信するゲームは基本心から楽しんでいるのである。
そこに義務感を感じることがないため、その楽しさが視聴者にも伝わってくる。
他のVtuberが遊ぶゲームとは少し異なる、特徴があるゲームを好んで遊んでいるが、無理に他のVtuberと合わせることがないため新鮮な楽しさが伝わってくる。
4.発想力
これまで見た通り、【朝ココ】の発想力はとても凄い。
誰もやっていなかったことをやり遂げているのだ。
しかしこれだけではない。
Vtuberでは伝書鳩行為(配信しているVtuberの放送に別のVtuberの名前を出す行為)はあまりよくない行動とされている。これは各Vtuberの概要欄にも書いてあるもので、放送しているVtuberへの迷惑行為になるためだ。
【朝ココ】が始まった当初は、別のVtuberの放送で何かやらかしてしまうと、【朝ココ案件だ】といったコメントが見受けられた。
しかし、とある日の【朝ココ】にて、「もし何か朝ココの題材になりそうな出来事があれば”#朝ココリーク”でつぶやいてほしい」とそれ以上のことは述べずに、放送していた。
この結果、他のVtuberでの放送で件の言葉を見かけることがなくなった。
このハッシュタグを作ったことにより、事態を密かに治めることができたのだ。
このような発想の転換も桐生ココ氏が称えられる一因でもあると思う。
これらの魅力から桐生ココ氏が私の推しになってしまった。
この他にも潜在的で気付いていない魅力があるのかもしれない。
それを探しつつ、そして気付いたらそれを学び、今後の活動を見ていきたい。
PS:千莉氏のまとめのようになってしまったことを深くお詫びしたい。
ただ千莉氏の動画によって気付いたことが多くあったので、それも紹介したいと思いここに書き記した。
また、桐生ココ氏、千莉氏のチャンネルは当然ながら登録済みである。
おわり