ピエールSの戯言

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007シリーズのガンバレルオープニングの部分だけを見てみる

こんにちは。

どうも、体調が優れず仕舞いの私でした。

珍しく変な頭痛やら、疲労感が半端なくて一瞬話題のウイルスかと思ったのですが、取り敢えず寝まくりました。

そしたら何とか普通に戻って、現状に至るわけです。

 

さてというわけで今回は、前回の007シリーズに続いて、007で必ず出てくるガンバレルシーン(オープニング)を少し詳しく見ていきたい。

 

何を詳しく見るのかというと、ご存じの通りボンドは6代続いている。

さらに一時期、ガンバレルシーンのみ出演していた演者がいる。

それぞれ必ずと言っていいほど癖のあるポージングをしている。

ある人は飛んで着地してから銃を構えるし、ある人は膝をついてから銃を構えるし、ある人は…

という具合にここでも個性が爆発している、といっても過言ではない。

 

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ということで今回は、それぞれのポージングの特徴を見ていきたい。

作品ごとではなく、演者ごとに分けて見ていきたいので、項目自体は6代分+1人、すなわち7項目となる。

流石に作品ごと見ていくとキリがなくなってしまう…。

また、基本的に同じ演者の場合は大きな変化が見られないので、演者ごとにカテゴライズした。

稀に同じ演者でも変化があるものもあるが、それはカテゴリー内で説明する。

 

 

 

 

1.ボブ・シモンズ

いきなりボンド役の演者ではない方から始まる。

ボブ・シモンズ氏は演者ではなくスタントマンである。

記念すべき第一作の【Dr.NO】から【GOLDFINGER】までの作品でガンバレルシーンに登場していた。

この方の特徴はまずシルエット。

必ずシルクハットにスーツで登場する。これは後のショーン・コネリーにも継がれる。

さらに別の特徴としてはそのポージングである。

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ボブ・シモンズ

これ、写真だとかなり伝わり辛いので、ぜひ動画を見てほしいが、必ずジャンプをする。

上図のように、センター直前になると必ずジャンプをし、着地と同時に銃を構えるのだ。当然、身体はブッレブレで申し訳ないがクスッと笑ってしまう。

ボブ・シモンズ氏のポージングはこのジャンプするか否かで判別がつくといっても過言ではない。

 

 

2.ショーン・コネリー

初代ジェームズ・ボンドとして私達世代でも名前を知っている。

ジェームズ・ボンドの生みの親のイアン・フレミング氏より知られていそうなショーン・コネリー氏。

彼がボンド役として抜擢されたのは【Dr.NO】だが、その作品は前述のボブ・シモンズ氏がオープニングを飾った。

【GOLDFINGER】までは前述の通りだが、【THUNDERBALL】から【YOU ONLY LIVE TWICE】、【DIAMONDS ARE FOREVER】はショーン・コネリー氏本人が担当している。

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ショーン・コネリー

服装はボブ・シモンズ氏と同様で、シルクハットにスーツというもの。

ジャンプはなくなった。

しかし、これもかなり特徴が濃い。

歩いてセンターまで行きその場で90°ターンを決めるわけだが、終始ふらっふらでこれもブレブレ。

右手で銃を片手で構え、左腕の肘下から水平に伸ばし、バランスをとっているような上半身と、左足を曲げ、右足は実質つま先立ちのような感じのポーズ。

不安定過ぎて常に上下左右に揺れている。

また、ポージングに移行する際も歩幅というか、歩調というべきなのかわからないが、それが合っていない気がする。

センターに着いた途端、足がバタバタしているのが動画を見ると分かる。

シルクハットでジャンプをせず、不安定ならショーン・コネリー氏といっても過言ではない。

 

 

3.ジョージ・レーゼンビー

【ON HER MAJESTY'S SECRET SERVOCE】の1作のみにしか出ていないジョージ・レーゼンビー氏。

ガンバレルシーンの流血から姿を消された唯一の方。

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ジョージ・レーゼンビー

ジョージ・レーゼンビー氏もシルクハットにスーツでしたね…。

3人居たんですね…

さて、こちらも動画をぜひ見てほしい。

今までの2人と比べると格段に綺麗なポージングをしている。

謎ジャンプもなければ、センター付近で足がバタバタしている様子も一切なく、スマートさが伝わってくる。

落ち着いた足腰でセンターまで歩き、着いた途端、身体全身を使って90°曲げる。

そして流れるように右膝を床に着け、姿勢よくガンバレルに向かって撃つ。この際、左手は後方に回る。

この3人の中では一番綺麗だったと思うが、なんと、ジョージ・レーゼンビー氏だけ流血と共に姿を消されてしまう。

色々説があるが、本当のところは不明。

少し待遇がかわいそうな演者といっても過言ではない。

 

 

4.ロジャー・ムーア

ショーン・コネリー氏がボンド役として有名だが、こちらのロジャー・ムーア氏もボンド役として有名な方だと思う。

作品数だけで言えば、ショーン・コネリー氏よりも1作品多いため、ボンド役としては一番登場が多い。

【LIVE AND LET DIE】から【A VIEW TO A KILL】までの7作品に出演。

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ロジャー・ムーア

恐らく、現在のボンドとしてのポージングの基礎を築いたと思われる方。

今までの非効率的なポージングから一気に変わり、たったままでの射撃姿勢になる。

登場初作から【THE MAN WITH A GOLDEN GUN】まではシルクハットなしのスーツ姿。

その後の【THE SPY WHO LOVED ME】からはタキシード姿で登場する。

また、スーツ姿時の撃ち方は、撃つ際に右肘を左手で上から抑えるようなポージングだが、タキシードになってからは両手撃ちに変わっている。

姿勢はいずれも、左足を少し力を入れるように少し曲げ、右足で体のブレを抑えるような姿勢。

これまでで一番安定して、尚且つ効率的で、今のボンドポージングの基礎を作ったといっても過言ではない。

 

 

5.ティモシー・ダルトン

かのダイアナ妃から、若々しく活動的で本格的な新しいボンド像を築いた、ととても高い評価を受けたティモシー・ダルトン氏。

【THE LIVING DAYLIGHTS】と【LICENCE TO KILL】の僅か2作品しか出演していないが、その分存在感を大きく与えた。

これまでのボンド像とは路線が変わり、紳士でクールなイメージを与えた。

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ティモシー・ダルトン

 

こちらも堂々とした足取りでセンターまで歩く。

その後、スムースに射撃姿勢に移行する。

歩幅も計算されているような歩き方で、ロジャー・ムーア氏以上に綺麗に勢いよくターンを決める。

ポージングは、ショーン・コネリー氏とロジャー・ムーア氏の中間といった感じで、右足を前に出し左足でバランスを整え、片手で撃ち左手で上半身のバランスを保っているような感じ。

オープニングからもクールなボンドを感じるといっても過言ではない。

 

 

6.ピアース・ブロスナン

個人的に一番好きなポージング。(偏見)

【GOLDENEYE】からデビューし、【DIE ANOTHER DAY】までの4作品で演じる。

ショーン・コネリー氏のようなタフさとロジャー・ムーア氏のユーモアさをバランスよく体現した方。

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ピアース・ブロスナン

いや本当にカッコイイ。(偏見)

堂々と歩きセンターへ向かう。そして、立ちの姿勢のままスムースにターンを決める。

正直、歴代ボンドの中で一番綺麗なターンだと本気で思う。(偏見)

身体の上下変化がほとんどないし、左足で軸を取る際もスムースでストレスを感じさせない。ニュルッという感じで、革靴特有のキュッキュ音が出ないんじゃないか、ってくらいスムースに感じる。

その後のポージングも、銃口と視線が完全に一致しているため、確実に相手を狙っている感が出ているのが素晴らしい。

堂々と、そしてスムースにターンするため、我々がイメージするクールで確実に相手を仕留めるようなスパイ像を見事に体現しているといっても過言ではない。

 

 

7.ダニエル・クレイグ

・CASINO ROYALE

次回作、【NO TIME TO DIE】で最後とされているダニエル・クレイグ氏。

【CASINO ROYALE】からデビューした。

当時は金髪で、今までのボンド俳優の中では背が低い、といった理由から放映前から既にアンチサイトなどが作られてしまった。

しかし、そのような世間からの悪評判とは大きく異なり、【CASINO ROYALE】で00昇格前の野性的でコントロールが難しいボンドを演じ、新たなボンド像を築き上げ、全世界で大ヒットした。

また、ダニエル・クレイグ氏のボンドでは、今まで以上にガンバレルシーンが変更されている。

 

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ダニエル・クレイグ

そんな【CASINO ROYALE】では歴代ボンド映画の中で初のトイレでのガンバレルシーンになる。

そのため、歩きでセンターに向かいターンし射撃する、という今までの伝統を覆すものだった。

今までの90°ターンから完全に背中からの180°ターンに変わり、勢いも従来の比ではないくらい荒々しいオープニングになっている。

また、ガンバレルのライフリング数もやたら増えている。

服装も今までのスーツから私服へと変更され、今までにない試みになっている、といっても過言ではない。

 

・QUANTUM OF SOLACE

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QUANTUM OF SOLACE

【CASINO ROYALE】からの直接的な続編の【QUANTUM OF SOLACE】では、前作と比較してまた大きく変更され、従来のガンバレルシーンに回帰。

しかし、オープニングではなくエンディングに移動。

バレル内部の金属部分の反射は一か所になっている。

本作品では、歩く速さが歴代ボンド映画の中でも最も速く、センターでターンする時もかなり速い。キレッキレの動きとなっている。

ポージングはブロスナンタイプだが、ブロスナン以上に銃のアイアンサイトを用いて相手を定めている感が強調されている。

動きそのものは荒々しさがあるが、しっかりと殺す意志を感じるといっても過言ではない。

服装は今までのタキシードからスーツに変更されている。

このエンディングの際、バレルがタイトルの【Q】の内側に来るようになっているのだが、この部分をよく見てみるとセンターで射撃した後、左側に移動しているのが分かる。

今まではセンターで待機だったのが、左側に歩くという今までにないガンバレルシーンとなった。

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QOSガンバレル

 

 

・SKYFALL

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SKYFALL

【SKYFALL】からは、歩く速さは歴代ボンドとほぼ同じになっている。

ターンは相変わらずスムース。

しかし、射撃姿勢がアイアンサイトを覗かないものになっている。

従来のバレル内部よりリアル志向になり、バレル内部のアルミ感がより強調される。

この作品もオープニングではなくエンディングに移動している。

 

・SPECTRE

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SPECTRE

【SPECTRE】にてガンバレルシーンがオープニングに戻される。

さらに、原点回帰して全体的にセピアフィルターが用いられ、さらにバレルがクレイグボンド以前のモノに変更されている。

恐らく、ボンドの過去に触れるテーマになっているから過去のモノに変更されたのだと思う。多分。

野性的であったボンドが過去と向き合ったことで紳士的なものになっているように感じる。

 

 

・服装

おまけ。

服装を見てみると時代に合わせて変化しているのがわかる。

最初のボブ・シモンズ氏、ショーン・コネリー氏はシルクハットにスーツ。

次のロジャー・ムーア氏はスーツとタキシード。

ティモシー・ダルトン氏とピアース・ブロスナン氏はタキシード。

ダニエル・クレイグ氏は私服とスーツ。

服のスタイルは、ブロスナンボンドまではレギュラーフィット系のゆったり目なスタイルだったが、クレイグボンドではスリムフィット系なスタイルになっている。

 

 

というオープニングのガンバレルシーンに注視した内容でした。

 

 

おわり